イスラエルに出かける前に、斜め読んだイスラエルの歴史の中で、私にとって最も分かり易く、胸を打たれたストーリーがあった場所が現在、世界遺産に登録されているマサダの砦でした。
紀元前100年、ローマ軍から逃げ延びたユダヤの人々が、このマサダの砦に立てこもり、ローマ軍に降伏することを最後まで抵抗した歴史的な砂漠の砦。
1000人ほどのユダヤの人々が、この砂漠の砦に水を蓄え、町を作り、下から攻めてくるローマ軍との戦いに挑んだ。3万人のローマ軍勢に対して967人のユダヤ教徒。
3年という長い月日をこの荒野のマサダで生き延びたユダヤの人々は、遂にその最後の時を迎える。
最後を悟った960人のユダヤの人々は、互いにくじを引きあい、誰がどの順で誰を殺すかを決めた。彼らはローマ軍に降伏してユダヤの誇りと威厳を捨てて生きるよりも、ユダヤとして死ぬことを選んだ。敵の手にかかる前にマサダの住人960人は、各々の家族で死出への旅立ちへのくじを引いた。ここはそんな悲劇の舞台となった場所だ。
死海近くの山のすそのからは、ロープウェイが砦のある山頂まで通い、ロープウェイから見下ろす足元のはるか下には、当時ユダヤの人々が砦まで登った「蛇の小道」やローマ軍が野営していた跡地が残っていました。
頂上の広い砦跡にはネゲブの荒野を見渡すヘロデ王の宮殿のテラスや、住人の使用したサウナやシナゴーグの遺跡などがあり、そこからの景色は絶景。
死海の向こうにはぼんやりとヨルダン岸が見えます。
悲しい歴史を想いながらも、お昼はがっつりチキンのお料理、ツュニッツェルを頂く。
想像以上に美味しかったです。
想像以上に美味しかったです。